[メイン2] 西原 ジュディ : ─────そうして和気藹々と話すロベルタ、司書らを、微笑ましそうに見やりながら。

[メイン2] 西原 ジュディ : マッドサイエンティストたるジュディは、原理の解明を果たすべく
─────この図書館に眠る本に、大きな興味を抱いていた。

[メイン2] 西原 ジュディ : そして、小さな本棚へと、こっそりと向かい─────。

[メイン2] GM : 【小さな本棚】
絵本などを中心に各国の小さな書籍が置いてある。
<図書館>か<目星>を振れます

[メイン2] 西原 ジュディ : CCB<=95 図書館 (1D100<=95) > 13 > スペシャル

[メイン2] GM : 日本語で”星の王子様”と書かれた書籍を見つけることができる。
他の書籍に比べて随分と読み古されたような印象を受ける。
パラパラと中身をめくって読んでみると、ふとこんなセリフが目に止まった。

[メイン2] GM : 『「ここでなにしてるの?」王子くんは、のんだくれにいった。その子が見ると、その男は、からのビンひとそろい、なかみのはいったビンひとそろいをまえにして、だんまりすわっていた。
「のんでんだ。」と、のんだくれは、しょんぼりとこたえた。
「なんで、のむの?」と王子くんはたずねた。
「わすれたいんだ。」と、のんだくれはこたえた。
「なにをわすれたいの?」と、王子くんは気のどくになってきて、さらにきいた。
「はずかしいのをわすれたい。」と、のんだくれはうつむきながら、うちあけた。
「なにがはずかしいの?」と、王子くんはたすけになりたくて、たずねてみた。
「のむのがはずかしい!」のんだくれは、そういったきり、とうとうだんまりをきめこんだ。
 どうしていいかわからず、王子くんは、そこをあとにした。 』

[メイン2] 西原 ジュディ : ─────この図書館内にあるのは、至って普通の本であった。
それはジュディの予想を外れたものではあったものの。

[メイン2] 西原 ジュディ : 「……これは、星の王子さまか、ふむ」
─────またしても、気になるという感情に浸る。

[メイン2] 西原 ジュディ : そしてそれを持って。

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] 西原 ジュディ : お行儀の悪いマッドサイエンティスト。

[メイン2] 西原 ジュディ : 知りたいことだらけ。

[メイン2] 西原 ジュディ : そのままナチュラルなムーブで、受付を調べる。

[メイン2] GM : 【受付】
ぐちゃぐちゃと整頓されていない受付机。
司書がキィキィと椅子を回しながら本を読んでいる。
<目星>か<アイデア>を振れますわね

[メイン2] 西原 ジュディ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 43 > 成功

[メイン2] GM : 司書が読んでいる本、の隙間から青い光が漏れている事に気付く。
見ると本のページの切れ端であることに気が付く。
渡してくれと言えば普通に渡してくれる。

[メイン2] 西原 ジュディ : ……行間で渡してもらったことに、してもろても?

[メイン2] GM : ステ変更イベが発生しますね

[メイン2] 西原 ジュディ : なにっ

[メイン2] 西原 ジュディ : ロベルタにやらせたかったけどまぁいいでしょう

[メイン2] 西原 ジュディ : まぁいいでしょう

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] 西原 ジュディ :  

[メイン2] ロベルタ : 誰も見当たらない図書館に、騒がしい足音が響く。

[メイン2] ロベルタ : 「これでもない!これでも!」
プライドを掛けて本棚の森を駆けるロベルタ。
もう自分の世界のページを探しているのか、あの本のページを探しているのか分からない。

[メイン2] ロベルタ : もし、司書の役職に立つものなら眩暈がするような壊滅を周囲にもたらしながら本を漁る内──

[メイン2] ロベルタ : ひらっと懐から、一枚の紙が落ちる。

[メイン2] ロベルタ : 「あっと……そういえば──」

[メイン2] ロベルタ : 最初の部屋のメモ書き。
ウラに何か見えて、持ってきていたのだった。

[メイン2] ロベルタ : 名無しさんのなんだよねえ……これ……
申し訳ない気持ちになりつつ、改めて見る。

[メイン2] GM : 『I think, therefore I am.』と書いてある。
<英語>または<INT*2>で日本語訳は読める。

[メイン2] ロベルタ : ccb<=70 (1D100<=70) > 77 > 失敗

[メイン2] ロベルタ : 🌈

[メイン2] ロベルタ : 「はて……?」
しげしげと見ていたその時。

[メイン2] ロベルタ : 人様の書いた作品を無遠慮にひっぺがした天罰のように──!

[メイン2] ロベルタ : ccb<=36 POW×3 (1D100<=36) > 57 > 失敗

[メイン2] ロベルタ : 1d6 (1D6) > 5

[メイン2] ロベルタ : 3d6 (3D6) > 13[3,6,4] > 13

[メイン2] ロベルタ : 「うわっ!? あっ……」
急に変わった身長にバランスを崩し。

[メイン2] ロベルタ : 本棚に倒れ──

[メイン2] ロベルタ : (倒壊音)

[メイン2] ロベルタ :

[メイン2] ロベルタ :

[メイン2] 岩崎月光 : 「……んで、頼み事ねぇ」

[メイン2] 岩崎月光 : 頭をかきながらも、館長に渡されたメモに目を通す。

[メイン2] 岩崎月光 : 胸のポケットに手を突っ込んだことをまだしこりにはなっていたようで、お茶を飲んでる間も少しモヤモヤとした顔を向けていた。

[メイン2] 岩崎月光 : まぁ事実として、月光は少女の胸ポケットに手を入れたのは結果としてあるので、逆らえることはなく。
その不満を解消するためにも、このメモが手渡されたのだが────

[メイン2] 岩崎月光 : 『The Analysis of Mind 』

[メイン2] 岩崎月光 : それが、本の題名であった。

[メイン2] 岩崎月光 : 1d100<=40 英語 (1D100<=40) > 26 > 成功

[メイン2] GM : 『心の分析』 というタイトルであることが分かる。

[メイン2] 岩崎月光 : 月光は何とか英和辞書を引っ張り出し、翻訳した。

[メイン2] 岩崎月光 : ……心、ねぇ。俺には到底小難しいが、館長サンならきっとこの程度読めるんだろ。

[メイン2] 岩崎月光 : 頭をかきながら、そのタイトルを探すために、青年は歩こうとしたのだが────

[メイン2] 岩崎月光 : 「……この中をアテもなく、探すのか?」

[メイン2] 岩崎月光 :

[メイン2] 岩崎月光 :

[メイン2] 岩崎月光 :

[メイン2] 西原 ジュディ : CCB<=13 POW (1D100<=13) > 20 > 失敗

[メイン2] 西原 ジュディ : 1d6 (1D6) > 5

[メイン2] 西原 ジュディ : 3d6 はい (3D6) > 8[1,2,5] > 8

[メイン2] 西原 ジュディ :

[メイン2] ロベルタ : ccb<=12 むり (1D100<=12) > 19 > 失敗

[メイン2] ロベルタ : 1d6 (1D6) > 2

[メイン2] ロベルタ : 3d6 (3D6) > 12[2,6,4] > 12

[メイン2] ロベルタ :



[メイン2] 岩崎月光 : ccb<=9 ……←意味深に無言 (1D100<=9) > 47 > 失敗

[メイン2] 岩崎月光 : 1d6 (1D6) > 4

[メイン2] 岩崎月光 : 3d6 (3D6) > 10[4,4,2] > 10

[メイン2] 岩崎月光 : 外見


[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 岩崎月光 : 月光は2階で埃だらけになっていた。
本棚の中から本を抜き、出し、また抜き、出す。
その作業のうちに降り積もる年月が月光の頭に振りかぶっていた。

[メイン2] 岩崎月光 : その埃を頭から払い、片手に持っていたのは────『The Analysis of Mind』
館主から頼まれた、一冊の本。だが、これは月光が探し当てたものではなかった。

[メイン2] 岩崎月光 : 『精が出るね、月光少年』と言う言葉と共に西原サンが届けてくれたものだ。
渡すだけ渡し、手をひらひらとさせて消えた彼女は、なんともまあうさんくさかった。

[メイン2] 岩崎月光 : だが、うさんくさいだけではないのは確かだろう。

[メイン2] 岩崎月光 : マッドサイエンティストと名乗り、行動を合理で動かしていた彼女は、きっと月光のような虱潰しではなく、明確に「ある」と言う場所を探していた。

[メイン2] 岩崎月光 : 付箋が付いていたところを見るに、人が所持している証。
であれば、交渉を行い本を手にした、と言う事に繋がってくる。
ただ胡散臭いだけではなく、得体の知れない、と言う意味でも底知れなさを感じたが。

[メイン2] 岩崎月光 : 「ま、どっちにしろ助かったのは確かだな……っと」

[メイン2] 岩崎月光 : 思いにふけりながらも、積みあがった本を直していき。
若干並び方が歪になった本棚を見て、ヨシ、とガッツポーズ。

[メイン2] 岩崎月光 : さて、これを返す前に────よっと。

[メイン2] 岩崎月光 : 月光が向かったのは館長が座っていた受付ではなく、案内人が立っている階段付近。

[メイン2] 岩崎月光 : 「ああ、ちょっといいか?」

[メイン2] 岩崎月光 : 手をゆらゆらと、無気力そうに振りながら。

[メイン2] 名無し : 「はい。どうしました?」

[メイン2] 岩崎月光 : 「案内人っていうアンタに聞くのもお門違いかもしんねえけど…
 本来俺たちはイレギュラーで、アンタたちみたいなのが普通なのか?」

[メイン2] 名無し : 「いえ、僕たちはそれぞれ職を任されているだけで、君たちのような迷子はたまにやって来ますね」

[メイン2] 岩崎月光 : はんはん、とその話に耳を傾ける。

[メイン2] 名無し : 「だからイレギュラーとかそういうのはないと思います。かみさまの次第ですね」

[メイン2] 岩崎月光 : 「なるほど、ね
 じゃあ、迷子がまた迷子になってくるのもおかしくはねえ、ってこったな」

[メイン2] 岩崎月光 : ニィ、と人相の悪い顔で笑いながら。

[メイン2] 名無し : 「はい。一度呼ばれたのなら、また呼ばれる可能性は0ではないと思います」

[メイン2] 名無し : 「なぜなら、かみさまの目についたと言うことなので」

[メイン2] 岩崎月光 : ……かみさま、ってのがこの館を作り、んでもって”客”を選んでる。
どの客が来るのか、あるいは館に残るかは、かみさま次第、ってことね。

[メイン2] 岩崎月光 : 「ああ、それならありがたいぜ
 なら、聞きたいんだが────かみさま、ってのに直談判は出来るのか?
 俺をまたここに客として呼んでください、ってよ」

[メイン2] 名無し : 「かみさまはいつもみんなを見守ってくれる存在ですが、その辺りはどうなのかわかりませんね」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……マジかよ、流石にわかんねえ、ってことか」

[メイン2] 岩崎月光 : ぼやくように、頭をガシガシ、と掻きながらも。

[メイン2] 名無し : 「もしかしたら元の世界に帰るときに会えるかもしれませんね」

[メイン2] 岩崎月光 : その言葉に、ヘッ、と笑いつつ。

[メイン2] 岩崎月光 : 「それなら、期待しておくぜ
 ありがとな、アンタの案内には何度も助けられたな」

[メイン2] 名無し : 「いえいえ、僕は職を全うしただけですので」

[メイン2] 名無し : 「ちゃんと自分の世界のページを見つけられたのは、君たちの力があって、ですよ」

[メイン2] 岩崎月光 : そりゃどーも、と少し嬉しげな顔を見せつつも。
名無しには背中を向けて、手を振って別れる。

[メイン2] 岩崎月光 : まあ、礼は言える時に言っとけってじいちゃんが言ってたしな。

[メイン2] 名無し : 月光を見送り、司書の元へと向かう。

[メイン2] 岩崎月光 : そして、そのまま館長の受付へと。

[メイン2] 岩崎月光 : 「すンませ~ん、この本借りてたんで、返しに来ましたんですけど~」

[メイン2] 館長 : 書架の方をウロウロしながら、まだ本を探している。

[メイン2] 館長 : 「…!その声は」

[メイン2] 岩崎月光 : 冗談を言うように、笑いながら近づいていく。目付きの悪い顔で。

[メイン2] 館長 : 近づいてくる月光に、ぱあっと花が咲いたような笑顔を向ける。

[メイン2] 岩崎月光 : 目を開いて、その笑顔に驚く。
その笑顔は、最初に見たような妖艶なものでもなく。
年相応の少女らしい笑顔のため。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……アンタ、可愛い所もあるんだな」

[メイン2] 岩崎月光 : ぼそりと呟きつつも、本をぱたん、と机に置く。

[メイン2] 館長 : 「なにを言ってるのよ、私は可愛いところしかないわ」
冗談めかして

[メイン2] 館長 : 「…っと、その本、見つけてきてくれたの?」

[メイン2] 岩崎月光 : 「ハハ、そりゃ言えてるぜ
 ああ、っても俺が見つけたわけないから、面目はないけどな」

[メイン2] 館長 : 「そうなんだ。どこにあったかわかる?」

[メイン2] 岩崎月光 : 「ざ…あにゃいす…おぶ……まいんど……
 『心の分析』、だったか……三階の人が借りてたみたいだぞ」

[メイン2] 岩崎月光 : 「アンタは本の管理もしなくちゃなんねえのか、そりゃまあ大変なこった」

[メイン2] 館長 : 「あ~。あの子、この前お茶しに来たときにその本が置いてあった書架を見てたわね」

[メイン2] 館長 : 「そう、あの子が持っていってたのね」

[メイン2] 岩崎月光 : 「はぁん、アンタの知り合いかなんかか
 そういや、アンタらは階ごとに一人いるみたいだが、話したりしないのか?
 特に名無しなんかは、喋るのも好きそうだけどな」

[メイン2] 岩崎月光 : ぐい、と前に探してあった椅子に遠慮もなしに座る。
もはや、この階の常連のような仕草で。

[メイン2] 館長 : 「毎日同じ人とお話してもつまらないもの」

[メイン2] 館長 : 「あなたもそう思わない?」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……”変化”が欲しい、って話か」

[メイン2] 館長 : 「そうそう。私はこの姿のままでいいけど、記憶ってさ、どんどん薄れていくじゃない?だからね新しい彩りが欲しくなるの」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……まぁ、そうかもな。
 俺だって同じ本だけ毎日読めって言われても、いつか飽きが来そうだ」

[メイン2] 館長 : うんうんと同意するようにうなずく。

[メイン2] 岩崎月光 : 「それじゃ、アンタはもう覚えてないのか?
 アンタが……”館長”になる前の、記憶とかは」

[メイン2] 館長 : 「……覚えてるわよ。全部」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……それじゃ、かみさまは忘れさせなかったんだな
 良かったこと、だとは思うけどな」

[メイン2] 館長 : 「これは秘密なんだけど、私は例外なの」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……例外?」

[メイン2] 館長 : こくりと頷き

[メイン2] 岩崎月光 : 名無しの奴は、例外も何もない、平等だと言っていたが……
アイツも知らないこともある、ってことなんだろうか。

[メイン2] 館長 : 「ここに残るっていうなら教えてあげるわ」

[メイン2] 岩崎月光 : その言葉に苦笑いしながら。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……それなら、遠慮しとくよ
 ”変化”が大切なら、俺はここにいない方がいいからな」

[メイン2] 館長 : 「…ブレないのね。でも、あなたのそういうところが気に入ったのよね」

[メイン2] 岩崎月光 : 「ハハ、ありがとよ。
 え~っと、なんだっけな……『織姫と彦星』ってお話は、知ってるか?」

[メイン2] 館長 : 「それくらい知ってるわ…でも教えて」
ねだるような笑顔で

[メイン2] 岩崎月光 : ま、そりゃそうか、と笑った後。

[メイン2] 岩崎月光 : 「ま、それなら……
 織姫っていうオヒメサンと、彦星っていうオウジサマが昔々、この空の上にいました」

[メイン2] 岩崎月光 : 織姫と彦星は、互いに恋に落ち、結婚まで至る。
所が彼らは恋に怠け、本来の仕事ですらおろそかになっていった。
怒った神は、年に一度しか出会う事が出来ないように、天の川を掛けた。

[メイン2] 岩崎月光 : それが、織姫と彦星の物語。

[メイン2] 館長 : 「…やっぱり、何度聞いても悲しい話よね」

[メイン2] 館長 : 「好きなら、愛しているのなら、ずっと一緒にいたいもの」

[メイン2] 岩崎月光 : 「……館長サン、アンタは……良い人なんだな」

[メイン2] 館長 : 「言ったでしょう?私は人間が好きだって」

[メイン2] 館長 : 「人が抱く感情も、同じように好きなのよ」

[メイン2] 岩崎月光 : 初めて見た時は、どことなく人でない雰囲気を醸し出していた彼女。
だが、その涙する様子は、やはり人間らしく。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……ああ、人間の俺からしたらそう言ってくれることは、嬉しいよ」

[メイン2] 館長 : 「ふふ、それなら良かったわ。私の一方的な想いだと思っていたから」

[メイン2] 岩崎月光 : ニッと笑いつつも、館長に目を向ける。

[メイン2] 館長 : その笑顔に釣られて、ニコリと微笑む。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……だが、織姫と彦星は……会えなくなったからこそ、良かったこともある。
 年に一度の変化を楽しむために、二人は働くようになった……」

[メイン2] 岩崎月光 : 「同じことが続くのは楽だし、楽しい。
 ……でも、それが続くと飽きるのは、アンタが体験した事だろ?」

[メイン2] 館長 : 「…そうね。あなたがいうとおりだわ」

[メイン2] 館長 : 「昨日のお茶会よりも、今日、迷子であるあなたたちが来たお茶会の方が何倍も楽しかったもの」

[メイン2] 岩崎月光 : その言葉に、2階に置かれたテーブルを見やる。
片づけられた机だったが、それでも活気があった跡があり。

[メイン2] 岩崎月光 : 「…………そうか」
軽く微笑みながらも。

[メイン2] 館長 : 「…うん」
少しだけ寂しそうにしながらうなずく。

[メイン2] 岩崎月光 : きっと、俺の想像できない程の年月を、ここで過ごしたんだろう。
俺たちのような迷子が来ない日を、ずっとずっと一人で。
他の階は変わらない、孤独の、変化のない毎日。

[メイン2] 岩崎月光 : 「なぁ、館長サン。
 この本を届けたついでに、一つ話を聞いてくれないか?」

[メイン2] 館長 : 「いいよ。あなたのお話、聞かせて」

[メイン2] 岩崎月光 : 言うが早いか、本棚をまた探る。
取り出したのは────『幸せの青い鳥』。日本の文庫名にもなっている、名作中の名作だ。

[メイン2] 岩崎月光 : 館長に感謝を述べ、また開く。

[メイン2] 岩崎月光 : そして、その話し方は、どこか。
みにくいアヒルの子、織姫と彦星を語るときよりも、どこか鮮明で事細かだった。

[メイン2] 岩崎月光 : 幸せの青い鳥。
貧乏な木こりの家族の兄妹は、いつもつつましく生きていた。
そんな中、魔法使いから「青い鳥」を探すことを頼まれる。
兄は魔法使いから「どこにでもいける帽子」を渡され、様々な世界を通っていく。
「思い出の国」、「贅沢の国」、「戦争の国」…………と。

[メイン2] 岩崎月光 : 幸せの青い鳥は、どの国でも持ち帰ることは出来なかった。
困り果てた二人は、家に帰り、青い鳥を見つける。
そう、幸せはすぐ近くにあったのだ────という話。

[メイン2] 岩崎月光 : 月光はそこで言い切り、ぱたんと本を閉じる。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……この話には、誰も知らない続きがあるんだ」

[メイン2] 館長 : 話を聞き込んでいて、その先があると聞き、興味深げに月光に目を向ける。

[メイン2] 岩崎月光 : 「その主人公である兄……チルチルは、頭がおかしくなった。
 自分を『キャラクター』だと言い張り、不幸せな結末を変えるには”サクシャ”に頼んで変えればいい、ってな」

[メイン2] 館長 : 「えっ?なにそれ、本当なの?」
意外な続きに少し驚きを見せる。

[メイン2] 岩崎月光 : 「ああ、誰も知らないって言っただろ?」
にやりと、楽しげに笑いながらも。

[メイン2] 館長 : 「私、あなたよりずーっと長生きしてると思うけど、それでもまだ知らないことがあるのね」

[メイン2] 館長 : 「…あまり本を読まないからかしら、なんて」

[メイン2] 岩崎月光 : 「意外と読んでみれば、楽しいもんなんだぜ」

[メイン2] 岩崎月光 : 「さて、話の続きなんだが……それは失敗した。
 他の可哀想な物語……”雉も鳴かずば撃たれまい”、”マッチ売りの少女”。可哀想お話はいくつもある。
 それらを変えようと、物語の中に入っていった」

[メイン2] 岩崎月光 : 「どれも、幸せになんてできなかったけどな
 ……不幸せだと思っていたチルチルは、自分よりももっと不幸せな人達に出会って、変えたかったのに、だ」

[メイン2] 館長 : 「……」

[メイン2] 館長 : 「…それは、とっても悲しいわね」

[メイン2] 岩崎月光 : とどのつまり、チルチルと言う主人公は、物語のあらすじを変えようとした。
キャラクターと言う自我をもち、他の作品の物語に割り込み、幸せな話として変えようと。
しかし────それは意味のないことだった。

[メイン2] 岩崎月光 : 物語には、意味がある。
例え可哀想な話であったとしても、自分より辛い人がいる、自分の教訓にする、自分の心を揺れ動かす。
そのお話自体に意味があるのだ。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……そう言ってくれるなら、物語もさまさまだろうぜ
 織姫と彦星だって、そうだ。アンタみたいな人が悲しんでくれるから、物語の意味がある」

[メイン2] 館長 : 「……あなた、やっぱり面白いわね」

[メイン2] 館長 : 「そんな考えの人、今まであったことないもの」

[メイン2] 岩崎月光 : 「それは────」

[メイン2] 岩崎月光 : 「────俺が”チルチル”だからっつたら、信じるかい?」

[メイン2] 岩崎月光 : にやり。目付きの悪い顔を向けて。

[メイン2] 館長 : 「…信じるって言ったら?」

[メイン2] 館長 : 同じように少し意地の悪い笑顔を浮かべて

[メイン2] 岩崎月光 : 「……はは、参ったな……
 もしそう答えてくれるんなら……
 俺はアンタに尋ねるだろうさ」

[メイン2] 岩崎月光 : 「今『幸せ』か、ってな」

[メイン2] 岩崎月光 : 図書館の窓から淡い光が漏れる。
その光は月光のように、二人を照らしており。

[メイン2] 館長 : 「…どうかしらね」

[メイン2] 館長 : 「今のところは…半分くらいかな」

[メイン2] 岩崎月光 : その言葉に、頷いて。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……ああ、なら、俺は約束するよ」

[メイン2] 館長 : 「…約束?」

[メイン2] 岩崎月光 : 「ああ、約束だ」

[メイン2] 岩崎月光 : 「館長サンをここから連れ出すことは、きっとできない
 俺も、アンタの所にずっととどまれない」

[メイン2] 館長 : その言葉に残念そうにしながらも、こくりと頷く。

[メイン2] 岩崎月光 : 「それでも、どれだけ空いたとしても、一年に一回でも……
 アンタの所に行って、またこうしてお茶でもしよう」

[メイン2] 岩崎月光 : 「アンタを────『不幸せ』にはさせない
 そういう約束だ」

[メイン2] 岩崎月光 : 本のほこりを払う。表紙の青い鳥が、ちらりと見えて。

[メイン2] 岩崎月光 : 「もし俺がいない時は……本でも読んでくれ。
 きっと、悲しい気持ちも薄れるからさ」

[メイン2] 岩崎月光 : ニッ、と不器用な笑いを向けながら。

[メイン2] 館長 : 「まだ9割5分くらいだけど…それでも及第点、かな」

[メイン2] 館長 : 「わかったわ。約束、絶対に破らないでよ!」
先ほど違って、今度は自分から指切りげんまんをしようと小指を差し出す。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……へへへ!館長サンはやっぱ、優しいぜ」

[メイン2] 岩崎月光 : こくり、さらにもっと、強く頷き。

[メイン2] 岩崎月光 : その指きりげんまんを受けるように、指を突き出し────

[メイン2] 岩崎月光 : ────空には天の川が掛かっていた。

[メイン2] 館長 : 2階を後にしようとする月光の背中に話しかける。

[メイン2] 館長 : 「あっ、待って!大事なこと聞いてなかった」

[メイン2] 館長 : 「名前、あなたのお名前、まだ聞いてなかった」

[メイン2] 館長 : 「教えてくれないなら、それならそれで、織姫くんかチルチルくんって呼んじゃうけど」

[メイン2] 岩崎月光 : その顔に、ばつが悪そうな顔で向き直り。
……そういや、俺の名前言ってなかったな。

[メイン2] 岩崎月光 : 「まあ、今の俺の名前ってんなら……」

[メイン2] 岩崎月光 : 「岩崎月光、だ」

[メイン2] 岩崎月光 : そして、2階に行く足を止め、ちらりと館長の方へと目を向ける。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……アンタは?」

[メイン2] 館長 : 「…今度来たときに教えてあげるね」

[メイン2] 館長 : 図書館の天窓から射す、月の光を受ける彼を見ながら。

[メイン2] 岩崎月光 : 「……ヘッ」

[メイン2] 岩崎月光 : 「じゃ、”また”な」

[メイン2] 館長 : 「うん。またね!」

[メイン2] 岩崎月光 : 本を背景に座る、変わり続ける少女を手を振って。

[メイン2] 岩崎月光 : ……俺は、今度こそ、幸せにできたかな。

[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 岩崎月光 :  

[メイン2] 西原 ジュディ : 1d2 じゃあこっちで (1D2) > 2

[メイン2] 岩崎月光 : 1d2 (1D2) > 2

[メイン2] 西原 ジュディ : 3d6 グッバイアタシのEDU (3D6) > 11[3,4,4] > 11

[メイン2] 岩崎月光 : 3d6 (3D6) > 11[5,4,2] > 11

[メイン2] 西原 ジュディ : 1D100<=65 正気度ロール (1D100<=65) > 57 > 成功

[メイン2] 西原 ジュディ : 1d4 (1D4) > 3

[メイン2] 岩崎月光 : 1d100<=50 (1D100<=50) > 83 > 失敗

[メイン2] 岩崎月光 : 1d8 (1D8) > 5

[メイン2] 西原 ジュディ :

[メイン2] 岩崎月光 : やべ~~

[メイン2] 岩崎月光 : CCB<=50 2分の1~~~ (1D100<=50) > 99 > 致命的失敗

[メイン2] 岩崎月光 : ええ…

[メイン2] 西原 ジュディ : ここでファンブル運処理できるのはデカい

[メイン2] 名無し :  

[メイン2] 名無し :  

[メイン2] 名無し : ここは図書館。本日も月に照らされて、職員みんなで働いています。

[メイン2] 名無し : 司書室で働いているのはみんなに優しい司書さん。

[メイン2] 名無し : 今日も本を読んで、世界を管理しています。

[メイン2] 名無し : 時折、なにかを思い出したようにブラシや、ログや、写真を見て少しだけ笑っています。

[メイン2] 名無し : 以前の彼より笑顔が増えたようで、僕はとても嬉しいです。

[メイン2] 名無し : あっ!あれは館長さん!

[メイン2] 名無し : 新しい迷子が来たと聞いて、その様子を見に行ったようです。

[メイン2] 名無し : でもすぐに落胆した様子で2階へと戻っていきます。司書さんと違って悲しい顔が増えたような気がします。

[メイン2] 名無し : しかしながら、お茶会は以前と同じように開いていて、そこで新しく読んだ本の内容を僕たちに話してくれます。

[メイン2] 名無し : 彼女は本はそこまで好きではないと聞いていたのですが、心境の変化でしょうか?

[メイン2] 名無し : カツンカツンと靴音がして、その方向を振り向くと、門番さんが3階から降りてきていました。

[メイン2] 名無し : メモを手に持ち、日本語の本を探しているようです。

[メイン2] 名無し : 司書さんや館長さんが読んであげようか?と聞いても、自分で解読すると言って聞かないそうです。

[メイン2] 名無し : 門も守ること以外にも、興味ができたんでしょうか?

[メイン2] 名無し : 多少の変化がありつつも、今日もこの図書館は平和です。

[メイン2] 名無し : これもきっと、かみさまがみんなを見守っているからでしょうね。

[メイン2] 名無し : おっと、僕の紹介がまだでしたね。

[メイン2] 名無し : 僕は名無し、この図書館の案内人です。

[メイン2] 名無し : さて、そろそろ僕も仕事に戻らないといけないので今日はこれくらいで

[メイン2] 名無し : 新しく図書館に迷い込んだ迷子たちの方へ出向き

[メイン2] 名無し : 「図書館へようこそ!」

[メイン2] 名無し : 人懐っこい笑みを浮かべて歓迎するのでした。

[メイン2] 名無し :  

[メイン2] 名無し :